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米州の石油天然ガスセクター産業構造

アルゼンチンエクアドルコロンビアブラジルベネズエラメキシコ
規制監督機関 「エネルギ-鉱山省」
・鉱業局、エネルギー戦略計画局、炭化水素資源局、電力局があり、炭化水素資源局が石油セクターの監督を所管。

・傘下の独立監督機関ENARGAS(国家ガス規制機関が天然ガスセクターにおける規制、査拶紛争解決機能を有する。
「炭化水素省(Ministerio de Hidrocarburos)」
・2015年2月、非再生天然資源省の鉱業部門を鉱業省として分離し、石油・ガス部門の管轄機関として新設される。2007年以降、資源ナショナリズム政策を維持。

「鉱山エネルギー省(MINMINAS:Ministerio de Minas y Energin)」
・エネルギーセクターにおける規制全般及び国家政策の策定。

「国家炭化水素庁(ANH:Agencia Nacional de Hidrocarburos)」
・炭化水素資源の管理・開発推進。鉱区入札の実施及び事業権付与。
「鉱山エネルギー省(MME:Ministerio de Minas e Energia)」
・地質学、鉱物資源エネルギー、水資源利用、鉱業・冶金、石油・燃料・電力・原子力エネルギーの利用を監督。

・傘下機関の国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)において、石油・同製品の製造業者登録、探鉱・開発・生産及び輸出入ライセンス発給業務等が行われている。
「石油省(People's Ministry of Petroleum)」
・炭化水素、エネルギー全般、鉱業セクターの国家政策を策定し、規制・監督を担う。
「エネルギー省(SENER)」
・炭化水素、電力、計画・技術開発の3部門からなる
・国家政策の策定及び実施の監督。

「国家炭化水素委員会(CNH)」
・石油ガス上流部門を規制。

「エネルギー規制委員会(CRE)」
・石油ガス中〜下流部門、電力部門を規制。

「環境天然資源省(SEMARNAT)」
・環境・産業安全局(ASEA)において炭化水素部門の環境影響及び運営の安全を規制・監督。

☆CNH及びCREは、2014年8月に発効したエネルギー改革関連二次法案の下で、従来のSENER傘下機関から独立規制機関に変わり、機能の強化が図られた。
国営石油天然ガス公社の地位と活動内容 【YPF】
・YPFは民営化後(1993年)、Repsol(西)に買収され(1999年)、RepsolYPFに。

・2012年、アルゼンチン政府が株式51%を取得し、再国有化。

・2018年1〜9月期の生産量シェア:原油が45%、天然ガスが38%。

【GdE】
・国営ガス会社GdE(Gas del Estado)は1992年12月にガス輸送会社2社(TGS,TGN)とガス配給会社9社に分割民営化。2012年6月、TGNが送ガス料金の凍結を理由に破産宣言。

【ENARSA】
・2004年設立。炭化水素資源の探鉱開発、輸送、貯蔵、配給、石油ガス製品の販売及び電力事業を実施。設立時に未割当天然ガス鉱区を政府から譲り受け、外資パートナー募集権限を与えられる。2012年のYPF再国有化以降、石油・ガス事業における役割は低下。
【Petroecuador】
・1989年9月創設の国有石油会社。2010年1月に着手された石油・ガスセクターの再編に伴い、2012年1月以降、中・下流事業会社となる。

【Petroamazonas】
・2007年12月創設の国有石油流会社。2010〜12年にかけて、石油・ガスセクターの再編過程でPetroecuadorの上流事業を吸収。

・2013年の原油生産シェア62%
【Ecopetrol】
・1948年にその前身が設立される。2003年に、炭化水素資源の管理や規制監督といった政府機関としての機能を脱却し、事業組織として独立性を強める方向で組織を改革。2018年10月現在の政府所有比率は88.5%。

・原油天然ガスの探鉱・生産・精製、輸送、販売の事業活動を展開していたが、天然ガス輸送部門は1997年に分離独立(ECOGAS)、2006年に民営化。

・2012年6月、原油・石油製品輸送事業の100%子会社としてCenitを設立。

・国内生産量シェアは、原油59%、天然ガス59%(2014年)。
【Petrobras】
・1953年設立。1997年8月の憲法改正、新石油法制定に伴い、国内石油天然ガス事業の独占的支配は終焉。2018年2月現在、連邦政府の議決権比率は50.26%。

・内外民間資本の参入が容認されるようになったとはいえ、依然として国内鉱区の過半を所有し、原油生産量の79%(2017年シェア)を生産。精製・輸送分野でも中心的な役割を果たす。天然ガス生産量の国内シェアは2017年で73%。

・油価低迷やレアル安等による経営の悪化を受け、資産売却による投資資金の調達を図っている。2015年10月には、三井物産との間で傘下のGaspetroの株式の49%を売却する株式売買契約を締結。2017〜18年の資産売却目標は210憶ドル。
【PDVSA】
・1975年設立。政府100%所有。

・石油鉱業省の政策と炭化水素部門に関する国家開発計画に従い、石油天然ガスの上流から下流に至る事業を実施。

・2009年の国全体に占める原油生産量シェアは直接操業分のみで75%(JVを含めると100%)。

・2006年8月、中国CNPCとJV(PDVSA60%)を組成。

・2010年3月にRosneftを中心とするロシア系コンソーシアムとJV(Petro Miranda,PDVSA持ち分60%)を組成。

・2012年2月、Gazprombank(露)と国内油ガス田開発に関するJV(PDVSA 60%、Gasprombank 40%、ライセンス期間25年)を組成。
【PEMEX】
・1938年設立。

・2013年12月の憲法改正により、上流部門の内外民間企業の参入が容認されることになり、PEMEXによる独占は終了。PEMEXの位置づけは、従来の国有企業から「生産的国有企業」へ。

・石油天然ガスの探鉱・生産、精製、ガス・基礎石油化学、石油化学の4つの事業部門を有する。

・2014年8月、鉱区公開に先立ち、引き続きPEMEXが担う鉱区を決定する「ラウンド・ゼロ」と呼ばれる手続きの結果が公表され、国家全体の確定及び推定埋蔵量の83%(石油換算206億バレル)、想定資源量の21%(同221億バレル)を保持。このうち一部はフゼムアウト案件として民間企業とのパートナーシップによる開発を予定。

・2012年2月、Repsol(西)と、米州での上流部門・LNG事業及び米州・西・葡での下流部門の操業に関する10年間の戦略的提携に署名。

・2017年の生産量は、原油が日量197.7万バレル、天然ガスが日量42.05億立方フィート(国内生産に占めるシェアはそれぞれ89%と83%)。
増産計画 ・非在来型資源開発を促進し、2023年までに原油生産量を100万B/D、天然ガス生産量を238MM㎥/Dに拡大。・原油生産は2007〜10年にかけての低迷を脱し、徐々に拡大。2013年にITT油田(超重質油)の開発を決断。ピーク時の生産量として20万B/Dを見込む。
・Ecopetrolが2015年5月に発表した2015〜2020年の戦略計画では、2020年の生産目標を87万B/Dと設定。計画期間の投資額は毎年60億ドルを予定。
・ANPによる生産目標:2025年に450万B/Dに引き上げ。

・Petrobrasの事業経営計画(Business and Management Plan 2018-22)では、2022年の国内生産を原油290万B/D、天然ガスを日量150万石油換算トンとしている。

・国家エネルギー計画PNE2030によると、天然ガスの2030年の生産目標は250MCM/D。
・2013年9月に発表された愛国計画(Plan de la Patria 2013-2019)に、2019年までの生産目標を原油で600万B/D(オリノコベルトの超重質油の生産に期待)、天然ガスで10,494MCF/Dとしている。
・SENARが2015年年初に公表した生産予測によると、既存油田からの原油生産量が2015年の240万B/Dから2020年に210万B/Dに減少するのに対して、新規油田開発により短期的に240万B/D、中期的には280〜300万B/Dの維持を生産目標としている。
上流部門への外資参入可能形態 合弁、生産分与契約、サービス契約等
生産分与契約、合弁、サービス契約(炭化水素頬
→2010年新炭化水素法による新契約モデル(サービス契約)
2018年 生産分与契約再導入
ANHとの技術評価契約及び探鉱生産契約
コンセッション又は合弁

プレソルト及び戦略的な地区に関してはPS契約可能
合弁(PDVSA過半シェア)
サービス契約、利益分配契約、生産分与契約、及びライセンス契約。
上流部門への外資参入実績 ・主要活動外資:Petrobras、Chevron、Occidental、Total、Shell、Petrobras、CNOOC、Sinopec他。

・シェールガスの探鉱・開発・生産がNeuquen盆地を中心に進行中。2016年5月時点でChevron、Dow Chemicalは生産開始済み。
・主な活動外資:Repsol YPF (亜/西。国内生産量シェア13%)、Andes Petroleum(CNPC、Sinopec から成るJV)、Eni(伊)、Enap(チリ)、Petroriental(中)。
<新炭化水素法に基づきサービス契約のみが容認されることになったことを受け、Petrobras等6社が撤退>

・2013年11月、第11次鉱区入札を実施。入札対象16鉱区のうち4鉱区が落札。

・2018年9月、第12次鉱区入札をIntracampos areaの8鉱区を対象に実施。PSC契約モデルを再導入。
・積極的なFDI誘致方針。石油セクターへのFDI流入額は、2013年に49億ドル(流入額全体の30%)。

・主要活動外資:Gran Tierra、Pacific Rubiales、Emerald、Perenco、ONGC/Sinopec、Cevron、Hess、Petrobras他。

・2014年7月のライセンスラウンドでは、深海や非在来型を含む95鉱区の入札が行われたが、応札は26鉱区に18社と低調。

・2019年2月、2014年以来となるライセンスラウンドが、度重なる延期ののちに、陸上18鉱区、洋上2鉱区(いずれも在来型資源)を対象に実施。
・参入外資は、Shellをはじめ、Chevon、Repsol、BP、Anadarko、EL Paso、Galp Energia、スタットオイル、Shell、Sinopec、ONGC等。

・2009年6月、INPEXと双日、JOGMECによる合弁企業の出資する現地法人が、北カンポス沖合フラージ油田において、原油生産を開始(日系以外の参加権益比率はオペレーターを務めるChevronが51.7%、Petrobrasが30%)。

・2015年10月に、第13次ライセンスラウンド第1フェーズ、同年12月に同第2フェーズを実施。Petrobrasやメジャーは不参加。対象鉱区に対する落札鉱区数は、第1フェーズが37/266、第2フェーズが9/10にとどまった。

・岩塩層下(プレソルト)の鉱区開発では、2013年11月以降、鉱区入札が実施されており、2019年11月に第6回入札が5鉱区を対象に予定されている。
・開放的な政策が採られていた1990年代には、操業サービス契約、RPSA(Risk Profit Sharing Agreement)、戦略的提携の形態でChevron、BP、Total等のオイルメジャーが参入。

・2005年以降にPDVSAが過半シェアを持つJV形式への転換が求められ、一部の外資が離脱。

・主要活動外資:Petrobras、CNPC、Rosneft、BP、Repsol-YPF、Chevron、Statoil、Eni、Total他。日本企業ではINPEXが2鉱区で操業。

・2012年8月、YPF、オリノコ油田の設備増強や新油田開発等への参加検討を含むエネルギープロジェクト策定につきPDVSAと合意。
・2013年の憲法改正に伴う上流事業への民間参入の容認後も、資源の国家所有の原則を堅持。天然ガスについては従来より、サービス契約の一種であるMSCによる民間の参入を容認。MSCは9件で、落札鉱区面積合計16,050平方キロメートル、総投資額72億ドル。主要参加外資は、Repsol、Petrobras、帝国石油、Lewis Energy、Iberoamericana de Hidrocarburos他。

・2015年7月、ラウンド・ワン第一弾として実施された14浅海鉱区の入札結果を発表。Talos Energy LLC(米)、Sierra Oil & Gas(墨)及びPremier Oil (英)の3社によるコンソーシアムが2鉱区を落札、27億ドルの投資が見込まれている。

・2018年に予定されていたラウンド・スリー第二弾(オンショア鉱区について37件のライセンスを対象)、及びはじめて非在来型資源を対象とする第三弾(9件のライセンス)、オンショア鉱区のフゼムアウト7件は、2019年に延期
下流部門の政策と投資動向 ・2017年7月、YPFはLujan de Cuyo製油所(処理能力10.5万B/D)の近代化計画(投資額7,200万ドル)・2019年3月、新規製油所建設(30万B/D)及びEsmeraldas 製油所(処理能力11万B/D)の改修について、国際競争入札の実施(5月)計画を発表。・2016年1月、Cartagena製油所の能力増強が完了(→16.5万B/D)。

・2018年12月に、Reficar製油所の能力増強計画(15.2万B/D→2021年に20万B/D)と、Barrancabermeja製油所の能力増強計画(25万→30万B/D)の再始動が報道される。
・2015〜2019年に下流部門に109億ドルを投資(Petrobras Business and Management Plan 2015-19 revised Jan.2016)

・精製能力:2014年240万B/D→2020年330万B/D、2030年390万B/D。(Petrobras 2030 Strategic Planによる)

・Petrobrasの汚職問題で中断されていたComperj製油所(処理能力15万B/D)の建設は、2018年7月にCNPCとの間で完工に向けた合意が報道されたものの、2019年3月に、Petrobrasにおいて精製事業を切り離す動きが顕在化し不透明感が高まっている模様との報道。
・国内の石油精製能力は2014年現在で130万B/Dで、2019年までに180万B/Dに増強を目指す(PDVSA2015年年次報告書に示された目標)。

・2008年5月にLNG輸出計画(CIGMA)が発表され、同年9月に傘下企業との間でFS実施及び上流開発に関する合意が締結されたものの、2011年にプロジェクトは凍結。
・天然ガス下流事業(輸送、小売、貯蔵)では1995年以降、民間の参入を容認。2014年のエネルギー改革により、石油ガス中下流事業への民間の参入を容認。

・メキシコ国内ではPEMEXが6製油所を操業。2018年12月、AMLO大統領は国家石油精製計画を発表。既存製油所の改修・近代化と新製油所Dos Bocasの建設(タバスコ州)により、2022年の精製能力を1,863,000B/Dに引き上げる計画。

・ガス輸送のロス・ラモネスプロジェクト・フェーズⅠ(米国との国境からロス・ラモネスまでの115kmのパイプライン、最大輸送能力21億立方フィート/日)が2014年末に完工。フェーズⅡ(ロス・ラモネスからメキシコ中西部までの738kmのパイプライン延長、追加最大輸送能力14.2億立方フィート)が2016年年初に完工。
情報源(投資企業各社のHPや各種報道サイトを除く) ●YPF HP (www.ypf.com/Paginas/Home.aspx)
●EIA (»WEB SITE
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE
●在アルゼンチン日本国大使館「経済情報」(毎月)
●ペトロエクアドルHP(»WEB SITE
●EIA (»WEB SITE
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE
●鉱山エネルギー省HP(»WEB SITE
●ANH HP(»WEB SITE
●Ecopetrol HP(»WEB SITE
●JOI調査(2008年8月)
●EIA (»WEB SITE
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE
●鉱業エネルギー省HP(»WEB SITE
●ペトロブラスHP(»WEB SITE
●EIA (»WEB SITE
●JOI調査(2005年12月)
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE
●PDVSA HP(»WEB SITE
●EIA (»WEB SITE
●JOI調査(2008年8月)
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE
●SENER HP(»WEB SITE
●CRE HP(»WEB SITE
●PEMEX HP(»WEB SITE
●EIA (»WEB SITE
●JOI調査(2006年2月、2009年11月)
●JOGMEC各種レポート (»WEB SITE

最終更新日:2019年5月